路・線・図 by SIDE CORE

山梨県北杜市のギャラリートラックスで現在開催中の展覧会「路・線・図」に行ってきた。ストリートアートを軸に展示を行うサイドコアのキュレーションは個人的にツボだ。今回は青森から巡回して山梨での展示を行うという滅多にないチャンス。参加アーティストには豪華な顔ぶれが名を連ねる。

一年前「甲府ストリート再生事業」という市の公共事業の一環で、甲府市内の壁画制作を依頼し、大きな力を貸してくれたHITOTZUKIも参加。元々、作品の撮影に関わったことでHITOTZUKIを知り、以降その作品性、もっと言えば人柄を含めてファンになったからこそ、壁画制作を依頼したのだ。なおさら行くしかない。オープニングレセプションにはアーティストも多数来場するという機会に、仕事といいつつ、個人の強い思いで取材という名の見学を強行した。

詳細と展示の内容はこちらにまとめたので(取材なのでちゃんと記事にしました)

これから見に行く人は参考にしてほしい。


かねてよりお会いしてみたかったフューチャリスティックB-BOY彫刻家、小畑多丘さんにも会って話しをすることが出来た。最初に作品を見たのはキースへリング美術館でのキュレーターズセレクション〈B-BOY on Sky Court〉。(このとき、小畑多丘さんの初期(衝動)作品クレイアニメ『ブレイ菌』も館内で流れていて観た記憶があるのだが、、どこかで観た記憶だけが残っていてはっきりしない)HITOTZUKIの2人との出会いも、このキュレーターズセレクションの作品撮影だったことを思えば、僕にいつもフレッシュでクールなアートのきっかけをプレゼントしてくれているキースへリング美術館には感謝しかない。

食卓を囲みながら、目の前にあった紙コップにサッとラフを描いてプレゼントしてくれ(本当は、本人が何気なくスケッチしているのを僕は横目で見ていて、図々しくださいって懇願したのだが)感激だ。感激のあまり、次の日「PKCZ® GALLERY STORE」へ行ってしまったもの。耳に鉛筆を掛けていたのは、アイデアやフィーリングをスケッチに即座に書き留めておくためのものだったんだ。

写真は翌日のPKCZ® GALLERY STOREにて


アーティストそれぞれが、ひとつのギャラリーで思い思いの時間を過ごす。そんな貴重な一幕を見ることができて幸せだ。「重力を重力と感じさせないような事が起きた時、人の心は動くんじゃないかなって。それが僕のブレイクダンスが好きな理由の一つであるし、重力を感じるって当たり前だけど、すごい大切な要素だと思うんだよね。だから僕の絵には重力を表現するために地面がちゃんとあるんだ。」ギャラリーツアーの最中、小畑多丘さんは自身の作品についてそう話してくれた。当たり前に存在している、日常、時間、重力、それを飛び越える(ブレイク)する瞬間、人は感動を覚えるのだ、と。HITOTZUKIの2人と小畑多丘さんのやりとりを眺めながら、思わず僕は笑顔になった。その光景を目にして、夢見心地の僕の重力はブレイクされた、そんな瞬間だったからだ。

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