007 Theme songs
いよいよ今日から 007 スペクターが日本で封切りとなった。ダニエル・クレイグ主演のジェームズ・ボンド第4作。前作スカイフォールの出来が良すぎて、今作も期待せざるを得ない。今作限りでダニエルはボンド役を降板する意向を示していたが、制作陣は次作も続投を望んでいるそうだ。クレイグボンドの引退はなんだか寂しい気もするが、次なるボンドが誰になるのか世界中で論争が巻き起こることだろう。クレイグには悔いの残らぬよう存分に、ど派手かつ華麗なるドンパチと色恋を展開していただきたい所存である。
さて、元々の実力と人気もさることながら007フィーバーにさきがけて前作スカイフォールの主題歌を唱った英国の歌手、アデルの新作「25」がバカ売れ中だ。ことアメリカにおいて、初週セールスがジャスティンシンクの記録を抜いて最も売れたアルバムとなっている。スカイフォールの収録された「21」も世界で3000万枚をこえるセールスを記録。トップチャートに名を連ねるアーティストたちがアデルとだけは競りたくないと発売時期を避けるほどである。
彼女を取り巻くマネジメントチームも素晴らしい働きをしているに相違ないのだが、正真正銘、実力で世界中にその歌声を響かせてきたアデル。ありとあらゆる国でトップチャートの頂点に君臨する女王がこの度カムバック。「19」「21」「25」全てのアルバムタイトルに冠せられるナンバリングはレコーディングを開始したときの年齢なのだという。もう次のボンドはアデルに任せよう。という気にすらなってくる安心感である。他のアーティストと一線を画す、というか別格の雰囲気を醸し出している。
ちなみにSPECTREの主題歌は、グラミー受賞アーティストである英国のサム・スミス。かつてバーのバイトでモップを片手に下積みしながら音楽に人生を捧げた人物は、その手にマイクと栄光をつかみ、いまやボンドの脇を固めるまでに。アデルと同じく、英国を代表する世界的アーティストへと成長を遂げた。サム・スミスの美声に彩られる、SPECTREがますます楽しみである。
英国生まれの英国育ち、生粋のイングリッシュダンディであるジェームス・ボンドに習い、2作続け、英国のアーティストで主題歌をがっちり固めた007シリーズだが、同じくクレイグ主演の他2作はどうだったかというと、慰めの報酬では、アリシアキーズとジャックホワイト。アメリカのアーティストだったのだ。主題歌初のデュエットとして話題性は高かったのだが、なにしろ酷評された作品だっただけに、そこまで印象に残っていないのが残念すぎる。いうまでもなく、両者とも天才であり、素晴らしいアーティストである。
さらに遡ること今から9年前。007通算21作目、記念すべき我らがクレイグボンドの主演1作目のカジノロワイアルはクリス・コーネルとこれまた渋い。彼もまた、アメリカはシアトル出身のシンガーだ。
おそらく監督やそのときのスタッフ、またはアーティストサイドのタイミングによっても変わってくるであろう主題歌を務めるアーティスト。全24作を通じ、米国か英国かはたまたその他の国出身者が多いのか、果たしてそれが興行収入と関係するのか興味深いところである。主題歌のアーティストキャスティングが、前作スカイフォールから007シリーズのメガホンを取り、歴代NO.1のヒットをかましたサム・メンデス監督の手腕によるものかは知るところではないが、その功績は大きい。今回のスペクターのヒットによって「007の主題歌はイングリッシュアーティスト」というジンクスが今後ついてまわるかもしれない。重厚なドラマと音楽が織りなす最高級のスパイアクション。とにかく早く観たいぜ。
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