CAMP NOU
バルセロナに戻り、FCバルセロナの試合を観戦。カンプノウスタジアムはフットボールの聖地ともいえるスタジアムである。バルサの試合をカンプノウで観るということは特別なことだ。「にわか」な自分に、それを肌で感じさせるほどの熱気に鳥肌が立つ。メッシがボールを持つと、スタジアムの雰囲気が変わる。運動量は多くないが、ボールに触れる一つの動作で10万人の観衆が「何かをしてくれるかも」と期待を抱くのだ。相手チームのプレーヤー、サポーターにとっては脅威以外の何者でもない。やはりメッシは特別な存在だった。
10万人を収容するビッグスタジアム。色々な人間模様がそこにある。子ども、大人、ありとあらゆる人種。一つのクラブを取り囲む多様性のクラウドが一様に、一喜一憂する。ゲーム中、フィールドの選手たちを背に、自撮り棒をかかげ席を立っていたアジアン男性二人組は、地元サポーターたちに注意を受けていた。カタルーニャ人はフットボール観戦マナーにはシビアなのだと悟った。当然のマナーといえば、そうなのだが。
ゴール裏のサポーターによるバルサの応援歌が絶えず響き、ゴールの瞬間、湧き上がる地鳴りのような10万人の歓声は、心を奮わせる。熱狂的に応援する者、ガールフレンドに試合の状況を説明しながら静かに、しかし熱い視線で見守る者。応援歌を全て口ずさめる者、ハーフタイム中、スタジアムのてっぺんではバルセロナの街を眺めながら、タバコを吸ってる者もいる。僕もお隣で一服させてもらった。5階席でもピッチとの距離は近く、臨場感のある試合を楽しめた。試合が終われば、10万人の観衆は蜘蛛の子を散らしたように街へと消えて行く。これがバルセロナの街の日常なのだ。
入り口近くのオフィシャルグッズ売り場の売り子の男の子は大の日本ファン。アニメや漫画が好きらしく、1ヶ月くらい大阪に滞在経験があるらしい。ホテルへ帰る途中の駅ではモデル/俳優として多方面で活躍する柳俊太郎さんとすれ違った。ゲームシャツを着ていたから、きっと観戦していたに違いない。マネージャー、あるいは撮影ロケのスタッフか、数人の取り巻きとともにホームに佇む姿は、嫉妬するほどにバルサのロングスリーブゲームシャツが似合っていた。同じ日本人なのに、足は僕の2倍くらい長く顔は半分くらいに小さかった。
観戦料金は日本語の予約サイトを通じ、5Fスタンド席で一人10,000円ほど。チケット手配の手数料を含む。ちなみに、レアル・マドリードとFCバルセロナ伝統の一戦「クラシコ」は1番安い席でも5倍くらいする。いつかは観てみたいものだ。次は、レアルの本拠地、サンチャゴ・ベルナベウがいいな。
メッシ、スアレス、ネイマールの最強3トップが出場したバルサをこの目で観られたことはもちろん嬉しいのだが、フットボールカルチャーが息づく街のスタジアムでホームゲームを体感し、フットボールを取り巻く環境、文化の中枢に触れられたことが1番の収穫かもしれない。階段を駆け上がりスタンドに出た瞬間、目の前に飛び込んできたカンプノウの姿を僕は忘れることはないだろう。
この日のゲームハイライト。対戦相手はグラナダ。
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