小豆島エピソード5 メイパム 5 モノノケマンダラ/セトノウチ「島モノ家」「島メシ家」SHODOSHIMA EP5 MeiPAM 5/Island Gift shop&Diner

突然だが妖怪は好きだろうか?僕は好きだ。忘れるくらいに小さな頃、実写とアニメーションが融合したドラマが、たぶんNHKで放送されていた。その世界観が恐くて愛らしくてたまらなく好きだった。この記事を書きながらふと思い出し、幼い記憶を辿りながらダメ元で探してみたところ、見つけることが出来た。「のんのんばあとオレ」という全5回のドラマである。

Ash Ketchumpチャンネルより(このチャンネル、ピンポイントで全5回をアップしていてすごすぎる)

このドラマは、水木しげる先生が妖怪に興味を持つきっかけをつくった「のんのんばあ」と水木少年との邂逅を題材にしたもの。現在僕らが「妖怪」と認識しているのは妖怪的存在の水木しげる先生が視覚化しフォーマットしたものであるが、(あくまで僕ら世代の「妖怪」といえば水木しげる先生であり水木妖怪がオールドスクールなら今の世代の妖怪のメインストリームである「妖怪ウォッチ」がニュースクールといったところか)この小豆島にも妖怪、物の怪の類を描く人物がいる。 小豆島が生んだ妖怪画家・柳生忠平(やぎゅうちゅうべえ)だ。

小豆島「迷路のまち」は昔ながらの古民家が多く残っており、妖怪の住んでいそうな趣きがある。古来より歴史を紡ぐ島には妖怪伝説が多く語り継がれていても何ら遜色はない。そんなロケーションを存分に活かしたMeiPAM 5では巨大妖怪天井画「モノノケマンダラ」を見ることが出来る。 柳生忠平が描いた巨大な妖怪画だ。古民家の約20畳の暗闇に広がる妖怪「カンシシャ」が邪気を吸い取ってくれるという。オフィシャルによれば

未曾有の妖怪たちのたくさんの目があなたを監視しています。邪気があると見つけてここで吸い込んでくれるという不思議空間。現世との結界を越えてここに入り、畳の上で寝転んで心ゆくまで「見られて」みてください。きっと新しいなにかが「見えて」くるはずです。

とのことだ。

MeiPAM 1で単館券もしくはMeiPAM通し券を購入し、MeiPAM 5に持って行こう。同じ敷地内にある瀬戸内の島の名産品を集めたショップ「島モノ家」のスタッフにチケットを渡す。そうすればモノノケマンダラのある屋敷へと案内してくれる。入り口でキャンドル型のランプを渡され、楽しみ方を丁寧に教えてもらい、2階へと足を運ぶとそこはこの世とあの世の狭間的な空気に満ちている。というかこの時点でそういう世界観を楽しめないような退屈な感性の持ち主であれば、その先も楽しめないのでさっさと引き返そう。「体験」をより楽しむために「体験」そのものが細かく作り込まれた展示である。子どもはもちろんユーモアと童心を持ち合わせたセンスのいい大人ならばきっと楽しめるはずだ。天井画のある部屋は真っ暗。心許ない手元の灯りをそっと足下に置いたら、天井を見上げるようにして畳に寝転ぶ。最初はほとんど、まったくと言っていいほど何も見えない。目が慣れてくれば「カンシシャ」が浮かび上がってくるのだ。そして気づくだろう。あなたが部屋に入ったときから、いやもしかするともっと前から、僕らはずっと見られていたのだと。

階段を上がり切ると別世界。モノノケマンダラに続く廊下の雰囲気は異常。

中は真っ暗。

彼は妖怪ではないので安心してほしい。

モノノケマンダラと隣接して、柳生忠平氏の仕事部屋に入ることが可能。妖怪画がいかにして作られているかを垣間見ることが出来る。水木しげる先生は素直ならば妖怪を見ることが出来ると言っていたが、柳生忠平もきっと妖しの類を目にして魅せられた一人。でなければあのような詳細な物の怪の画を描くことは出来ないはずだ。ショップには妖怪グッズもたくさん取り揃えられている。



平穏の中に感じる不穏。日常で感じるささいな違和感。そういったものがいちばん不気味で、恐ろしかったりするのである。



MeiPAM 5は庄屋の屋敷だったらしく飛び抜けて広い。敷地内にはセトノウチ「島モノ家」 と食事処「島メシ家」がある。カンシシャに邪気を払ってもらったら、帰り支度にお土産と腹ごしらえを。

MeiPAM オフィシャルサイトより

「島モノ家」

オリーブオイル、醤油、素麺など小豆島の特産品だけでなく、瀬戸内の「これ絶対おすすめ!」という逸品を厳選。お土産やギフトに喜ばれる「物語」のある品々を販売しています。中でも、小豆島の醤油ソムリエール・黒島慶子さんが厳選したさまざまな醤油のコーナーをはじめ、オリーブの樹を使った雑貨、オリーブを活かした化粧品が充実。どれも、他のお土産屋さんでは取り扱っていない高品質な品揃えが特徴です。

「島メシ家」

小豆島や瀬戸内の食材を活かしたデリ・スタイルのごはん屋さんです。季節の野菜・魚介類を小豆島の塩や醤油やオリーブオイルを使って料理。多種類のお惣菜から3~4種類のおかずをお選びいただけます。テイクアウトもできるので、気持ちのいい季節には海辺でのランチもおすすめ。オリーブ牛ローストビーフ丼やオリジナルカレーもあります。 ● 11:00~14:00 / 15:00~18:00 ● 惣菜4品のランチセット(1,250円)※季節によってメニューが変わる場合がございます。

残念ながらこの日の島メシ家はお弁当のみの販売だった。お弁当も美味しいのだろうけど、野菜食べられない友達がいたために遠慮した。しょうがないのだけれどどうせなら食べたかったな通常メニューの島メシ。


時間に限りがあって全てを回りきることは出来なかったが、もっと迷路のまちを楽しみたい人はオフィシャルサイトを覗いてみよう。

5回に分けて小豆島について、実際に足を運び目で見て、触れて、感じたことを書いたが、総じて、まだまだみたいところはたくさんある。一泊二日の弾丸ショートトリップでも、小豆島のカルチャーを感じることが出来た。きっと僕らがまだ見ぬポテンシャルを秘めている。いつか再度島を訪れて、今回の旅で行けなかった場所にも行ってみたい。そして意外と知らない日本の島の魅力はまだまだあるのだと感じた。


小学生、もっと言えば保育園の頃から一緒の友達とこうして旅が出来ることは非常に有意義な時間だった。大人と呼ばれる年齢になっても小学生のようにはしゃぎ回れる友人がいることは幸せに他ならない。現在、撮っておいたショートムービーを編集中だ。

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