ia and Brandon Babenzien/NOAH CLUBHOUSE OPENING RECEPTION
NOAH CLUBHOUSE がオープン。レセプションに行ってきた。
ニューヨークとロンドンに次いで日本に世界3店舗目となる旗艦店NOAH CLUB HOUSEが原宿にオープン。キャットストリートと九重商店街との間に位置し、クリエイティブディレクターブレンドン・バベンジンの古巣Supremeや、NOAHが環境に対する精神を享受、共有するpatagoniaも近い。向かいには7月に移転リニューアルした定食屋しずる(大好き)、老舗スケートショップHAWKがある。
オープン前夜のレセプションに行くことが出来たのでその模様を写真で振り返りたい。そもそも、こんな素晴らしい機会に僕が来られたのは奇跡のようなものであり、先の記事で紹介したマリエちゃんのおかげだ。マリエ=NYのイメージが強かった僕はNOAHのキャップをコーディネイトに合わせて「ALREADY FAMOUS TOUR17」へ足を運んだ。するとファーストコンタクトで「NOAHじゃん!」と即座に反応してくれたのだ。「親友がNOAHと関わりがあって、NOAHを好きな人に来てほしいと言っていたので良かったら」とインビテーションを送ってくれた。本人はツアー中のため、レセプションで顔を合わせることは叶わなかったのだが、親友に山梨から僕が行く旨を伝えておいてくれたという。なんて粋な人なのだろうか。あらためて感謝を書き記しておく。そしてその親友というのが、ia(アイア)さんである。「アイアッチ」とマリエちゃんが言っていたのでなんとなく聞きながら、もしかして。と思っていたらやっぱり「MTV屋台!」「流派-R」など僕の青春を支えた番組ナビゲーターを務めていた憧れのアイア姐さんのことであった。ヒップなキッズたちの姐御的存在、アイア姐さんは今、一児の母親。つまりアイア母さんになっていた。どこの馬の骨かも存ぜぬ僕をあたたかくウェルカムしてくれた。お母さんになっても、アイア姐さんは健在だ。変わらぬ美しい容姿とあの頃テレビのスピーカーから聴いていた澄んだ声。出会えたことに感謝である。NOAH CLUB HOUSEのストアデザインはブレンドンの奥様・エステルが手掛けている。アイアさんはエステルと仲良し。家族ぐるみで付き合いがあるという。なんだろう僕のアタマの中の世界の、好きなもの同士がくっついて繋がっていて、さらにその人たちに出会えたという感覚は奇妙で、とても嬉しいものだ。
レセプションは大盛況。売り場面積約218平方メートル、2層フロアの店内は人で溢れかえっていた。その場で顔を合わせた者同士が思い思いに語らい、ショッピングを楽しむ。僕は一人で商品とその様子を、サンドイッチを頬張りビールで流し込みながら眺めていたが、いい雰囲気だ。開放感のある吹き抜けの壁には大きなアートが掛けられ、本棚にはNYアーティストたちの画集が並ぶ。自然環境の写真集、赤い十字架の帆船の模型。ところどころにNOAHのエッセンスが見て取れた。レセプションルーム、リビングダイニング、キッチン、サロン、作り込まれた内装の部屋にTシャツ、小物、ジャケット、パーカなど多様なアイテムが生活空間に馴染むようレイアウトされている。ホームパーティのような趣きはまるでブレンドンの邸宅に招かれているような感覚だった。その家主にも挨拶することができた。ブレンドンはとってつけたような僕のカタコトの英語に真摯に向き合ってくれた。ブレンドンの立ち振る舞いを見ていると、格好のいいものを作る人は、人間としても格好がいいのだと再認識するのに容易い。いつか美しい自然に囲まれた山梨にも遊びに来てくれたらいいな。
このサンドイッチうまかった。
スタッフもノリノリ。
NOAHの哲学。その魅力。
NOAHのコアであるブレンドン・バベンジンは、Supremeの元デザインディレクターと形容されることが多いが、NOAHを説明する上で僕にとってその肩書きはあまり重要ではない。NOAHの存在を知り、ブレンドン・バベンジンを知った2015年、すでに彼はSupremeを去っていたから。
ストリートファッションが好きな人にはお馴染みのブランドである。しかし日本ではまだ、プロレス団体の名前のイメージの方が強いのかもしれない。NOAHはニューヨークを拠点に展開するプロダクトブランドであり、毎シーズン、NYのアイコン、ロケーションや人など、さまざまなカルチャーのルーツとヒストリーを掘り下げクローズアップする。ヒップホップでいうところの生きてきた場所(地元・Hood)をレペゼン(代表・象徴・Reprisent)しているのである。
NOAHはブレることのない絶対的な哲学のあるブランドだ。アメリカントラッドやプレッピー、アメカジの文脈とストリート感がバランスよく融合されたオリジナルのスタイル。そこには生まれ育ったNYの街で、ブレンドン・バベンジンがサーフ、スケート、パンクなどのカルチャーに触れ、感じてきたさまざまな要素がミックスアップされている。高品質な素材を使用しデザインには品格が漂う。年齢を問わず、トレンドにも左右されず長く着られるのが魅力だ。そしてなぜ、このモチーフを使用しているのか、なぜこの素材なのか、価格設定や製造プロセスに至るまで、ブランド自らが全てを説明している。
都市に拠点を置きながら先進的に環境保護や自然環境に優しいプロダクト作りを推進するアウトドアブランドpatagoniaの活動に賛同、サポートしているのも特徴。アパレル産業は汚い産業(自然環境に対して)だと近年揶揄されることがある中で、品質を落とさず、可能な限り環境に配慮することに努めている。昨年のブラックフライデーでの試みや、配送用の包装は簡易的に済ませ再生クラフト紙を使った梱包材を使用するなどの取り組みを行う。(参考:HYPEBEAST Brendon Babenzien Explains Why NOAH’s Packaging “Sucks”)洗練されたクラフツマンシップとエシカルマインドを持ち合わせた唯一無二のブランドなのだ。
僕は父親の影響で、patagoniaの服を幼少期から与えられていた。当時はその価値に気づくことが出来ていなかったが、大人になってからもサイズが着られるものはいまだに袖を通している。というか、いまだ壊れずに普通に着られていることに驚いているのだが。生まれ育った山梨は東京に隣接しながら、山々に囲まれる自然豊かな土地だ。そこで生まれ、生きている僕には都会と自然の両面を持ち併せているNOAHの服がしっくりくる。レセプションでは拙い英語を駆使し、「僕はNOAHはもちろん好きだけど、patagoniaも好きだ。今日のショーツもpatagonia。キャップはNOAHなんだ」とブレンドンに伝えたところ、「それは素晴らしいね。ありがとう」とブレンドンは言ってくれた。本来ならば英語で、僕のNOAHへの思いをブレンドンに100%伝えられたらいいのだけれど。ここに書いて、読んでくれた人から回り回って本人やスタッフに伝えてくれたら嬉しい。アイアさん、このセンテンスをもしお見かけしたらご伝達のほどお願いします。
翌日のオープンにも足を運ぶ。夕方に差し掛かり陽がかたむき始めていたが、店前には入店待ちの列が出来ていた。NOAH CLUB HOUSEから発信される、NOAHブランドの精神が洋服を通じて日本でも広まってくれると嬉しい。
NOAH CLUBHOUSE
東京都渋谷区神宮前4-26-29
営業時間:11:30~20:00
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