MILKFED.×YASUMASA YONEHARA (NEW LOVE Exhibition at Hidari Zingaro)

カイカイキキ運営のHidari Zingaroギャラリーにて開催中のヨネさん(米原康正)による「NEW LOVE」展へ。駅から降りてギャラリーに辿り着くまで中野ブロードウェイのダンジョンを探索している感覚も楽しい。

僕は「革命」を信じて関わってきたプライベートな写真たちにお別れを告げることにした。米原康正facebookより

と本人がマニフェストに綴っているように、2003年発行の著作「NEW LOVE」の写真を分解し、再構築。「iamgrowingoutmybangs」と融合させ全く新しいアート作品としてリボーンさせたのが本展示である。コンビニに並ぶおにぎりのような(伝わるかなこれ)加工にまみれたinstagram写真と対極の生々しさは、一つ一つ、ヨネさんの手で施されるコラージュとドローイングによって作り出される唯一無二の個性だ。

L判サイズから、大きな作品まで新たな作品性を提示。並べられた作品群には一連の関連性があり、共通点を見つけだすのを楽しんでほしい。

そして今季、アパレルブランド「MILKFED.」とヨネさんの「iamgrowingoutmybangs」がコラボレーション。Tシャツをリリースする。「一般的にはちょっとおとなしいイメージがあるブランドだけどさ。創業者はソフィア・コッポラなんだよね」。ヨネさんの言葉に目からウロコであった。ソフィア・コッポラといえば僕の中で、ビル・マーレイ×スカーレットヨハンソン(+僕がヨネさんと同様、勝手に敬愛している野村訓市)の「ロスト・イン・トランスレーション」が殿堂入りしている。最近の作品では「somewhere」とか「THE BLING RING(ブリングリング)」も面白かった。好きな映画監督の一人だ。

ソフィア・コッポラはかつて、ソニックユースのキム・ゴードンが手掛けるX-Girlブランドの立ち上げやコレクションに携わり、その経験が自身のブランド立ち上げのきっかけとなっている。(くわえてソフィア・コッポラは幼少期にカール・ラガーフェルドに師事していたというから驚きだ。)

参考:apparel fashion wiki MILKFED.i-D 「90s X-girlを蘇らせる」

X-girl、MILKFED.ともにSILASやX-LARGEを運営するB's INTERNATIONAL(同社は後述のセレクトショップStylesも運営)に売却され傘下のブランドとしてデザイン、運営など日本を拠点に展開。人気を集める。

その事実を知るまで恥ずかしながら個人的にはMILKFED.というブランドに対し保守的なイメージがあった。どちらかというとX-girlの方がロックの要素を含んだグラフィックTシャツのイメージが強い印象だ。なのでヨネさんとMILKFED.のコラボを知った時は率直に言って意外だった。しかし、ブランドのルーツを知り、納得である。今回は原点回帰さながらにカルチャーの権化であるヨネさんのアートワークがMILKFED.と交わった。ソフトな質感とポップな色彩。リアルで妖艶な描写が、ブランドに眠るソフィア・コッポラの遺伝子を想起させるグラフィックに仕上がっている。

リリースは明日9月15日。取り扱い店やオンラインで発売。また、同日には代官山のセレクトショップ「Styles」で行われている気鋭のドローイングアーティスト「LOUIS TERAI」のアートエキシビジョンに関連したレセプションが開催される。その中でヨネさんとLOUIS TERAIがお互いのTシャツをアートピースとして、ドローイングを施すスペシャルなTシャツを制作するという。それ、めちゃくちゃ行きたいじゃないですかヨネさん!詳しくはこちらのStylesオフィシャルを参照





今回のコラボTシャツに使用されているグラフィックはヨネさんが新しく撮り下ろした。モデルは全てMILKFED.のアイテムを身につけている。さらにそれを上からペイントしてしまうのがヨネさん流の愛である。巷に溢れる形だけのコラボレーションとは一線を画すものだ。ブランドとヨネさんとのお互いの敬意と信頼関係がうかがえるプロダクトである。「これだけいろいろ説明して、営業トークしたんだからさ。ね?トミーくん。(にっこり)」満面の笑顔でポンっと肩を叩かれ、あぶら汗をかいたが、そんな毒気のあるユーモアにますますヨネさんのことが好きになったのだった。


※ブランドのリリース情報のタイトルは8月15日となっているけどこれ誤表記されていて。発売は明日、9月15日。

ZOZOTOWNでもスペシャルページが展開されている。ツケ払いで買っちゃおうかな。そしたら直接購入すれば良かった。LOUIS TERAIドローイングバージョンも気になって眠れない。逆にLOUISアートにヨネさんはどんなドローイングを施すのだろうか。レセプションに行けないことが歯痒すぎて歯を抜きたくなる思いだ。抜かないけど。Stylesさん継続して販売してくれませんか(懇願)

ヨネさんの「NEW LOVE」は引き続き中野Hidari Zingaroにて来週21日まで開催。中野Zingaroの元締めにしてカイカイキキの王、村上隆ヨネさんのオープンレセプションに訪れた。すごすぎるぞ。


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